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理容と美容の違いについて

よく「理容と美容の違い」について質問をいただくので、こちらでもまとめておきたいと思います。

結論から言えば、この記事を書いている2025年4月時点では、

  • 理容:メイクや、アイロン・カーラーなどを使ったセットはできない
  • 美容:原則として顔そりはできない

という違いがあります。

これは、理容が「整える」こと、美容が「美しくする」ことに重点を置いているためです。以下で、もう少し詳しく解説します。

法律による違い

理容や美容は、国が定めた法律(理容師法・美容師法)によって業務内容が定められています。これは、仕事の中で刃物や医薬部外品(パーマ液など)を扱うため、専門の学校で学び、国家試験に合格する必要があるためです。

法律の定義では、

  • 理容:「頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えること」
  • 美容:「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすること」

と記されています。つまり、理容は「整えること」、美容は「美しくすること」が目的です。

そのため、実際の業務内容も以下のように分かれています。これは、厚生労働省が提示している内容から引用した表です。

業務内容理容美容
カット
パーマ
顔そり
ヘアセット×
メイク×
引用・参考元:理容師・美容師制度の概要等について - 厚生労働省

美容師による顔そりの「△」について

表の中で、美容師による顔そりが「△」になっている理由は、

「化粧に付随した軽い程度の顔そりは、化粧の一部として美容師が行っても差し支えない」

という解釈があるからです。

たとえば、メイクの際に眉や口まわりのうぶ毛が仕上がりに影響する場合、それらを軽く処理するのは問題ないとされています。

最近では男性もメイクをすることが一般的になってきているため、その場合にヒゲを処理するのも許容される範囲です。

ただし注意点として、

  • 「お顔そり」や「シェービング」として顔そりを主目的としたサービスやメニューは禁止
  • 「お顔そり専門店」などは、美容師では営業できない

というルールがあります。

昔の制度との違い

以前は、理容と美容の業務は性別によって線引きされていました。

たとえばパーマについては:

  • 理容師:男性には「カットの延長としてのパーマ」は可能だが、女性には不可
  • 美容師:男女問わずパーマ可能

またカットに関しても:

  • 理容師:誰でもカット可能
  • 美容師:パーマの延長線としてのカットはOKだが、パーマをかけずに男性をカットするのはNG

これは昭和53年(1978年)の通知に基づくものでしたが、「性別による制限はおかしい」という見直しが行われ、平成27年(2015年)の通知により現在の制度に変わりました。


現在の状況と今後について

現在では、法律上の理容と美容の違いはほとんどなくなっているといえます。

むしろ、表で見れば美容のほうができることが多いという印象すらあります。

理容師になる人は美容師になる人より圧倒的に少ないのに、このような内容ではその差が縮まるどころか、むしろ開いてしまうのではないかという懸念を持っています。